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SAROMAN BLUE 鈴木健司

SAROMAN BLUE 鈴木健司

16サロマ湖100kmマラソン完走記~グランドブルー達成まで~

2016年のサロマ湖100kmウルトラマラソンは、グランドブルーリーチの年となりいつも以上のプレッシャーが迫ってきた。
川の道にチャレンジしてあと一歩のところでリタイア。この510kmのダメージは予想よりも大きく(実際には精神的なダメージだったと今は思う)、練習再開までも時間を要した。
再開後もバランスを整えたことにより、ヘルニア発生前の右脚で支える走りにもなり、前頸骨筋の疲労から右膝に痛みが出るようになっていた。
5月21日と22日の2日連続の練習では初日の6kmのビルドアップは気持ち良くキロ6分を切るペースまで上げられたが、2日目には4キロ地点で右膝がガクガクしてしまう状態で、13kmに約2時間と、後半は歩くだけの状況になってしまう。
とにかく脚を触り、痛みの原因や張っている場所を確認した。気になる部分はウェーブストレッチリングや、トリガーポイントなどの器具を使って解す。
しかし走ると痛むことに怯えてしまい、次の練習は6月4日と約2週間空いてしまう。サロマ湖まであと3週間。
前日からしっかりと解すことで違和感なくスタート。様子を見ながらホームコースである彩湖へ。レースのペースを意識しながらキロ6分半で刻んでいく。イメージ通りの走りで20km。ひとつ前に進んだ気はしたが、翌日のダメージも大きかった。前頸骨筋だけは張りがなかなか取れない。連動して足裏の痛みも左だけでなく右にも感じられるようになってきた。椅子に座っている時は常にトリガーポイントを踏んづけるようにして足裏を刺激する。
次の練習は1週間後の6月11日から。サロマ湖を2週間後に控えて、ここである程度の負荷を掛けておかなくてはいけないと思った。これ以降は疲労の状態を確認しながら、11日12日13日15日18日19日23日と続けて走るようにしたが、ペースと距離はその時の疲れ具合によって調整した。
11日(土)8km:7分30秒・脚の状態の確認
12日(日)17.1km:6分27秒・ペースよりもリズム重視
13日(月)10.1km:5分50秒・負荷を掛けて距離を短く
15日(水)18.5km:5分40秒・負荷を掛けて距離を長く
18日(土)22.3km:6分39秒・脚が重い中でレースペースを意識
19日(日)11.4km:8分47秒・痛みのある部分を確認しながら
23日(木)6.9km:6分40秒・時計を見なくてもレースペース
※練習ではいつも同じペースだけで走ることはしない。調子を見ながらどう走るかを考えているので、上記の練習を決めて走り始める訳ではない。2時間程度の時間を見て、調子が悪ければ歩きも含めて動くようにしている。
12日と15日と18日のメリハリのある練習である程度いけると確認できた。しかし18日の疲労が左ハムストリングに残ってしまった。サロマ湖当日まで違和感がなくなることはなく、川の道スタート時よりも痛かった。さらに川の道以降から続く、右足中指と薬指の痺れはなくなることはなかった。レースでは30kmまでにそれ以外でなにも起こらなければ完走できる!とモチベーションを保ち走った。

いよいよ北海道入りの土曜日が迫ってきた。今年は一緒に行くメンバーは14名!旭川入り湧別経由で悠林館へ。あいにくの雨模様。発達中の低気圧の影響で前日の土曜日にサロマ湖入りできなかったランナーがいたと後から聞いてビックリした!
湧別でうどんを食べて受付会場にてYSACの海谷さんと会長の石川さんにご挨拶。チャリティーで『道』のCDをGET!更に地元で『十勝石(とかちいち)』と呼ばれる黒曜石。これは湧別に辿り着くまで約100km(実際にはないみたいだけど)流れ着いた石だと言う。そして十勝を『10勝』と読めば『サロマンブルーになれるかもしれない石!』ということだったので、こちらを2つ頂く(20勝)。レース中に持って走ろう!
その後悠林館には例年よりも早く到着できたのでゆっくりと過ごすことができた。ここでお会いできる他のチームの方々とご挨拶を交わすと、ロビーにグランドブルー挑戦!鈴木健司の張り紙が!(笑)プレッシャー掛けてくれますね(^_^;)。

当日は午前2時起床。出発3時10分に合わせてお弁当を食べてから、テーピングを準備する。今回はニューハレXテープとIテープで足首・足裏・前頸骨筋・股関節・ハムストリングをサポートする。足下は更にCEPハイソックスとコアバランスインナータイツとCEPハーフタイツで固めた。
上半身は汗冷え防止メッシュアンダー・姿勢維持メッシュノースリーブ・Tシャツ・アクティブスキンアームカバーを。雨が6時から9時の間で強くなるという情報から100円ショップのカッパをタイツに挟み込んだ。プラスしてゴアテックスキャップと手袋を持ってスタートのスタイルとした。
途中の54kmドロップバックには、ファイントラックスキンメッシュノースリーブとストームクルーザー上下を準備。さらにアームウォーマーも新しいものを準備する。シューズは濡れたとしても途中で履き替えても仕方ないので、川の道の際に鹿渡館から使ったNEWTONのエナジーで通していくことにした。

荷物を預けに行くとゴールドゼッケンの方々とお会いしたので、『仲間入りさせてもらいます!』と握手と挨拶を交わした。その後はトイレ小を済ませるために空いているトイレへ移動し、任務完了。会場に戻り、へろへろの皆さんと再会!そのままの流れでスタートラインへ並んだ。

スタート地点に並んだ時には雨は降っていなかったが、予想通りスタート直前にやや大きい粒の雨が降り始める。降ったり止んだりならばいいのだが。
午前5時マークさん・むらちゃん・☆子さんと一緒にスタート!いざ20回目のゴールへ向けて!スタートラインまでは11秒とかなり前の方からスムーズに流れていく。毎度のことだが、この後は知り合いの方にたくさん抜かれるだけだ。
いつも以上にたくさんの声を掛けていただき、楽しいレースが始まった。雨は強く降りだしていたが、湧別の町を周回するコースに入ると弱まり、一端は昇降状態になる。常にセンターラインを走り脚を進めていく。
スタート地点付近まで戻ってくると再び雨が。ここからは止むことはなく、冷たい雨の中のレースとなった。雨のレースで印象に残っているのは初参加の1993年だ。今年の様にスタートから雨が降り続き、ワッカはくるぶしまで浸かる水溜まりができる程の大雨となった。脚が止まらずに動き続けていれば冷えに苦しむことはない。今回もカッパは着ずに濡れても大丈夫なように準備ができている。
気を付けたいのはシューズの中が濡れること。水溜まりはなるべく避けたいので、センターラインを選ぶ。轍には水が溜まり、他のランナーがお構いなしに水を跳ね上げることもあるが、甲側が濡れるだけなのでマメには繋がらない。マメ対策としてはガーニーグーを塗り込んでいる。

5km 32分16秒

思ったよりもカラダが動かないという感覚があった。特に左のハムストリングス。脚を上げるのに引っ掛かっている感覚だ。歩幅を広げると余計に負担が掛かるので、とにかく小さい歩幅を意識する。また目線は下げずに。例年ならば31分台で刻んでいるので、いつもよりも貯金を作れない展開になることは容易に想像できた。
一緒に来ているメンバーも後方からスタートして時間が掛かっても、10kmまでにはパスされる。竜宮台の折り返しでみんなにまた会えるので、とにかくマイペースだ。
今回は愛用のオリンパスデジカメ(toughシリーズ)を持たなかったのは失敗だった。スマホだと取り出しと雨対策、さらにロック解除などスムーズに撮影できない。この雨の様子を伝えるにも持つべきだった。なので、撮っていただいた写真やランフォト2.0の写真で振り返っていく。特にジョージさんの奥さんのルーシーさんが各所に現れて元気一杯に応援してくれた!ありがとうございます。
皆さんからの声掛けのおかげで楽しく走りながらも、周りのペースが速いと感じる。寒いときの方が完走率は高くなる。今年は雨の状況で変わるだろう。脚が止まらなければ大丈夫な環境だ。こちらは動けるペースを維持しながら10kmへ。

10km 1時間05分27秒 33分11秒

早くもイーブンペースを維持できなくなっている。リズム重視の走りは変わらないが、33分台とは思ったよりも遅いタイムだった。走りながらも蒸し暑さを感じていたので、アームカバーを外したりはしていたがタイムに影響するものではない。給水利用もない中でこのラップを維持するは厳しいと感じた。10km過ぎの給水ではメダリストのジェルを少しの水で流し込む。寒い時程カラダを温めようとエネルギーの消費が激しくなるので、早めの補給がポイントだ。
10kmを過ぎると竜宮台へ向かう一本道になる。この路面はカーブがあるとかなり斜めに傾きが生じていて走りにくくなる。特に今回は左側が下がっているとカラダのバランスも崩れて、左の前頸骨筋に負担が掛かる感じがあったので、なるべく平らな左の路肩に走路を変えたり工夫をした。左の前頸骨筋を痛めると足首の付け根が痛くなってしまう。川の道の時にはこの部分の痛みが後々響いてしまった。
12.5kmの被り水ではバンダナを濡らす。雨は降り続けているが、カラダが冷えない。ややオーバーヒートの感覚があったので、いつもよりも水分を絞ってバンダナを被った。アンダーシャツ含めて3枚着用しているせいかな?ここは帰りに立ち寄るトイレポイント。復路で立ち寄るとかなり空いている。4つのトイレに4人しか並んでいなければ迷いなく並ぶ。往路の時点では8人くらいが列を作っていた。このタイミングではパス。20kmを過ぎてどのくらいの貯金があるを見てからでないと。

15km 1時間38分49秒 33分22秒

10kmから15kmはほぼイーブンペースが刻めた。33分台で粘っていけばある程度の貯金が貯められそうだ。
折り返しのランナーが戻ってくる。先頭は能城さん。その後はかなり引き離しているが、原さんはじめ有力選手は集団で走っていた。彼らは僕の半分の時間で100kmを走りきってしまう。どんな気分なんだろう。想像もつかない。フルマラソンのペースで100km走る力をつけるには相当な努力が必要だ。僕は速くよりも長くにこだわっているので、スピードは意識しないが、元陸上部としての血が流れているので速く走る爽快感は忘れてはいない。いつかサブ10でも目指す日が来るだろうか?
竜宮台の入口(折り返し20km)に到着するまでにたくさんの方とハイタッチを交わし、エールの交換をする。例年よりも速い人も多いと感じたが、自分が遅かったんだと今になって思う。この24年で竜宮台の折り返しは相当奥まで行くようになった。以前は今の20km地点が15kmだったので、約2.5km先まで行っているのだ。今年は延びた2.5kmの区間で雨が激しくなった。オホーツク海側からの強い風に吹き付ける雨がランナーにぶつかった。風避けの林がないのでこの付近では若干の寒さを感じた。ようやくの折り返しを戻りながら、サロマチャレンジャーのメンバーともすれ違う。

20km 2時間12分30秒 33分40秒

ここでも33分台をキープ。そして2時間20分に対しては約8分の貯金が確認できた。『よし!これでトイレは行ける!』寒さのせいでトイレに立ち寄る方は多く、見える位置での仮設トイレには長い列ができていた。この風の中で待つことは冷えにも繋がってしまう。もう少し我慢できるので先へと伸ばした。
エイドではメダリストジェルに加えて、バナナとベスパオーガニックを1個食べる。そしてZENのトラとダルマを流し込んだ。水は1杯を飲んでもう1杯は腕にかけるなどしてカラダを冷やす。歩きながら固形物を補給したらまた走り出す。お腹に溜めないと後半走れなくなるので、ここからはしっかりと。
後ろからへろへろのゆきさんが登場!今回サロマンブルーにリーチを掛けており、絶対に落とせない。トイレポイントを探していたが、目的のパレスホテルのトイレは大混雑ということでまた戻ってきたので『12.5kmの被り水のトイレが空いてますよ!』とお伝えしゆきさんは先へ!しばらく進んで予定のトイレが見えてくると前方のゆきさんも右側へ渡り、建物内のトイレへ向かった。僕は4人並びの外へ。
レース中に立ち止まることは不安だった。6月の練習で翌日のカラダの痛みなどを経験していたからだ。しかし股割りをしながら肩を内側へ倒し、背中回りのストレッチをしながら時間を潰す。想定よりも待ち時間は短く自分の時間も含めて約3分で復帰することができた。その後ゆきさんも追い付いてきてお礼を言われた。(笑)
ここで大久保さんを発見!スタート地点でも近くに並んでいたがお話はできなかったので、少しだけペースを上げて並走する。大久保さんは癌の闘病から復帰し、今年はサロマ湖でのベストを目指して走っている。復帰したばかりの3年前は54kmと65km付近でお会いしたが、今年はもっと早くゴールできそうだ。お互いの健闘を約束し握手を交わした。僕には速いペースだったので後ろに下がる。
25kmポイントを見逃してしまい、だいたい35分くらいだっただろうと切り替える。アールビーズのメンバーが応援団としてあちこちに登場するのでハイタッチで挨拶!コースは再び北海道ならではの農村地帯へ。家畜の臭いが鼻につく。もうすぐ30km。今回からスペシャルドリンクは登録の部だけとなったので、預けてはいない。

30km 3時間23分06秒 1時間10分36秒

10kmで7分ペースを維持している。トイレ休憩を含んだ時間だ。このリズムで維持すれば5km35分掛かることなく進めることが確認できた。アップダウンの始まる45km以降貯金が使えるように、このリズムで進んでいこう。大きく息を吐き、腕を上げて肩甲骨から動かしていく。足下はばかり見ないようにすることで、上半身を使って走ることができる。また呼吸を整えるためにも、大きな深呼吸は大切と考えている。筋肉に酸素をたくさん送り届けるイメージだ。
コースは1回左折して国道を目指す。横風は一端追い風に変わり、雨も若干弱まっているのでカラダの熱さを感じた。そして脚が若干重たくなってきたのを感じとる。『ちょっと嫌なかんじだなぁ。』局部的な痛みはないが、一区切りと考えていた30kmを過ぎての違和感。このままなにもなければいいが。

国道にぶつかって今度は左折。再び左からの風を受ける。この国道は61km過ぎまで続くが、交通量は多くないので2列~3列になって走っていく。雨が上がっていた明け方は路肩は乾いていたが、この時間までにかなりの雨が降ったので一部に水溜まりができている。ランナーの列は時折1列になったりを繰り返しながら進んでいく。
35kmポイントは国道の先に見える林を越えた辺りだ。次のラップは34分くらいで刻みたいと考えていた。すると右膝に違和感が!右脚にしっかりと体重が掛けられなくなり、後ろに送り出すにしても膝下から力が抜けてしまう感じだ。そして右の前頸骨筋がピクピクし始めたと思ったら、今度は左のふくらはぎがピクピクとし始めた。ヤバイ!と思った瞬間からバランスが崩れて右膝に痛みが走る!止まらずに負担の掛からない脚運びを考えて少しペースを落とす。応援のルーシーさんがカメラを向けてくれたが、しかめっ面で応えることができなかった。
このまま悪いバランスで走っても他に影響が出たら、まだ先は長い。一旦立ち止まり、前頸骨筋を擦る。そして屈伸。再び走り出すと、先程より違和感はなくなっているが、それは一瞬のこと。30km地点では約7分の貯金があったので、この貯金を最大限に活かすにしても、この状態では苦しかった。例年だとこの35km以降から35分を越えるラップタイムとなる。この痛みに対応する策を考えなくてはならなかった。走りながら『左右の痙攣が起きているということは、右のアーチが下がったりではない。ここまでの補給は・・・そうだ!雨だからとミネラル系のサプリを摂っていなかった。次のエイドで補給しよう。』いつもは塩熱サプリを持ってきて5~10km毎に舐めているのだが、今回はポーチには入っていなかった。代わりに用意していた
のは『ショッツ・エレクトロライトパウダー』だった。通常は水に溶かして水分補給と共に電解質系を補給するサプリではあるが、これをダイレクトで飲もう。さすがに、水なしでは飲めない。エイドまでの間をショッツのジェルでカバーする。

35km 3時間58分56秒 35分50秒

ラップタイムは辛うじて35分台でキープ。坂を下ってトイレにも行きたかったが、これ以上のロスは厳しいのと多くの人が並んでいたのでパスする。次の登りでも歩くことなく走ってエイドに到着することができた。まずは水をもらいエレクトロライトパウダーを1本!通常500mlに1本なので、水をコップ2杯流し込んだ。ストレッチしている暇はない。お腹は空いていたので、バナナをもらって走りながら頬張る。そしてバンダナも濡らして首筋から冷やした。
ショッツのエネルギーと電解質に加えてバナナも食べた効果もあり、直後はスムーズな走りができる。左右の痙攣もなくなり、再びペースを取り戻している走りになった。というのも国道は、次の芭露までは平坦と緩やかな下りが続く。これも幸いした。芭露のエイドまではリズムがかなり良くなってきた。雨も気にならなくなり、走りに集中できている。一人で路肩を走り、歩道のアップダウンを避ける。これも負担を掛けないためだ。
芭露のエイドは40km手前。ここではお決まりのトラとダルマを飲んでから、ショッツの速効性を期待して1本分飲み干す!ショッツを飲むと、カラダの隅々までエネルギーが行き渡るを感じる。またカフェインなしのワイルドベリーでもシャキッ!となるのだ。

40km 4時間36分05秒 37分09秒

エイド2ヵ所を考慮すればこのタイムは想定内だ。補給に約2分。急いでいるつもりでもあっという間に時間は過ぎている。貯金は4分。50kmに5時間50分で到着したいが、この先のアップダウンを考えると4分くらいオーバーする可能性が高い。しかし今無理にペースを上げるよりは維持することが重要だ。
月見ヶ浜に入る側道を左折してまもなく42.195km。脚の違和感はなくなりリズムは良いままキープしている。そして通過タイムは4時間51分44秒。悪くない、悪くないと言い聞かせ、次の45kmを目指す。するとサロマチャレンジャー繋がりの前田さんが後ろから登場!『いつもFBでお子さんのネタを楽しみにしているんです!色々手作りのイベントが可愛くて!』『ありがとうございます(笑)』出発前のナンバーカードへのメッセージや、川の道お疲れさま会など、一緒に来れなくても応援してくれる家族がいることがとても嬉しい瞬間でした!前田さんの方が走力は上なので、一気に置いていかれた。再び国道との合流地点には被り水があったので、バンダナを濡らして腕も濡らしてカラダを部分的に冷やす。
サロマ湖沿いの国道は平坦が続くが、計呂地のエイドを抜けるといよいよ丘陵地帯に入る。この区間でのタイムは必ず落ちてしまうので、なんとか粘っていこう。汗を掻いている感じもあったので計呂地では再びエレクトロライトを流し込む。しっかりと水も固形物も合わせて摂る。

45km 5時間12分39秒 36分34秒

ラップタイムは30秒回復し36分台となった。50kmはアップダウンを考慮してもプラス2分という計算をした。ここで重要なのは50kmラップで『40分を越えないこと!』80kmまで同じリズムで刻めば、貯金にはなるからだ。5時間50分ははみ出したとしても、54kmのグランディアでリカバーできる。この先の坂に万全の体制と気持ちで挑んだ。
大きくカーブを左に切りながら山の中へとランナーの列が消えていく。湧別町と佐呂間町の町境になる場所だ。この坂はまだ歩けない。少し長いが走れる登りだ。なんとか町境まで走り続けたが、呼吸が上がってしまったので、下り初めで少し歩く。またこの時脚への負担も配慮したかった。登りは走れても下りが走れない可能性があるからだ。恐る恐る下りを走り出す。カラダよりも脚が前に着地すると足首に負担が掛かるので、真下に置いていく感じで下っていく。これならば大丈夫そうだ。1つ目をクリアして下り切るとその先に見えてくるのが50kmポイントと2つ目の坂だ。この坂は中村優ちゃんと試走した坂と言った方がわかる人も多いはず。手元の時計が5時間50分を経過したことを確認しながらも50km地点を目指した。

50km 5時間52分35秒 39分55秒

なんとかこのタイムで収まった。そしてラップタイムも辛うじて39分台!50kmを越えて歩き出す。ここで滑登走の吉川さんにお会いすることができた。今回はサポートに回っていて、仲間の女性と一緒に走っている。この後も何度か前後して走った。ここは長い登り坂になるが、全部を歩いていては駄目だ。呼吸が落ち着いてから電柱走りに切り替えて、坂を登っていく。そして50km以降の距離表示が1km毎になるので、下りに入った51km地点でこの1kmのラップを確認。8分台でカバーできていることを確認しエイドに向かって下っていく。
エイドでは今回もお腹が空いていたのでバナナをもらう。プラスしてショッツをフラスクから流し込む。次のエイドに後半用のショッツを用意しているので、残りをすべて飲み切った。グランディアまでには緩やかな登りが控えている。湖畔沿いをしっかりと走りリズムを作る。登りでは痛いところはないのだが、左脚が上がりにくいのを感じている。でもここは少し休めるのだからしっかりと走ろう。53kmからの登りをクリアして一旦下ってから再び登る。正面にグランディアが見えてくるとその脚は止まらずに到着することができた。
手元の時計は(5kmのラップで)35分を刻んでいる。『45分で出発!』と声に出して確認し、荷物を受け取る。今年はグランディアが休館中で中のトイレは使えない。僕はこの先の小専用トイレを使う予定だったので、補給と着替えを中心に行った。まずは俵おにぎりを1個を食べてから水をコップ2つ分を1つにまとめて受け取る。そして移動。雨足がまた強くなってきたが、雨宿りをするスペースはない。テントの端に荷物を置いて自分は雨に濡れる。
まずは着替えから。上半身裸になってから、セームタオルで髪の毛からカラダ全体を拭き取る。雨に濡れたままを放置するよりも、素早く吸い取ってくれるのでかなり有効だ。アウターにしているシャツをまた着用するので、アンダーの汗冷え防止メッシュアンダーをファイントラックにチェンジしてから姿勢維持メッシュノースリーブとアウターのTシャツを重ねる。アームウォーマーを新しく交換し、バンダナの下にゴアテックスキャップを被る。まだまだ中盤戦。これからは少しでも冷やさない対策をしておかなくては。一方で暖かいアンダーシャツとストームクルーザーは敢えて着用しなかった。30km過ぎの痙攣の原因は汗の掻き過ぎ。雨は好きなので逃がすことをしないと再び痙攣してしまうと考えたからだ。これが吉と出るか凶と
出るか?100円ショップのカッパはタイツにしまったままとした。
次にポーチの中身を補充する。空のフラスクを交換し、メダリストジェルとエレクトロライトパウダーを4本、MAGMAなどを詰め込んだ。さらにエイドでもらったアミノバイタルパーフェクトエネルギーを流し込んで、もらった水でショッツ1本を飲んでいざ後半戦へ!時計は45分になったところ。荷物を預けてスタートする。出口にいた滑登走の吉川さんに声を掛けて坂を登っていく。

55km 6時間42分31秒 49分55分

エイドでの休憩を意識したおかげで50分オーバーにならずに復帰することができた。そして予定通りの小専用トイレへ。女性は3人並んでいたが、男性用トイレなので待ち人はおらずスムーズに済ませることができた。

トイレ休憩を済ませてレースに復帰。この先は58kmまでは緩やかな登り下りの繰返しになる。ここで同宿の駒沢公園JCから77歳で100kmに初挑戦している女性と一緒になる。というよりも、追い付かれてしまった。35km付近でも一緒になったがトイレ休憩挟むことで後方に下がっていたようだ。淡々としたリズムで走っている。なんとか完走して欲しい!
こちらはグランディアでの休憩からリズムを取り戻す走りに徹した。60kmには7時間20分を目安として、ラップは40分をオーバーしたくない。59kmからはサロマ湖沿いに戻り60km過ぎまで平坦になる。ここは頑張りどころだ。ここで昨年のサロマ湖フィニッシャーTシャツを着ている女性が声を掛けてくれた。『ランスマを観て感動しました!ブログ見て参考にさせていただきました!』『ありがとうございます!』走り去る背中には昨年のタイムが記されていたが、今年はそのタイムよりも早くゴールできたのでは?

60km 7時間20分56秒 38分25秒

トイレ休憩を含みこのタイムは上出来だ。このエイドではトラとダルマを流し込んで、ショッツのジェルをダイレクトに飲む。予定通り7時間20分ではあるが、この先のキムアネップ岬がポイントだ。距離と時間からしてこのポイントになると集中力が切れてしまう。今年はどうだろうか。坂を登り左折してキムアネップ岬へ下っていく。下りでは脚の状態を確認する。大きな負担でも違和感はないか、姿勢が維持できているかなど、リラックスしながら走るポイントだ。
下り切ると湖畔沿いになりサロマ湖からの強い風を受ける形になる。予想通り北よりの風なので、やはりワッカではオホーツク海からの冷たい風になりそうだ。ランフォトのカメラマンにポーズを決めてエイドを目指す。例年よりはしっかりとした脚取りで走ったつもりだか、エイドの手前でやはり脚が止まる。今回はスペシャルがないのでここでいつもよりも時間は掛からない。バナナをもらってジェルと共に補給した。
さて、いよいよ魔女の森。ここは65km地点が途中にあり、8時間で通過すればこの先の80kmまではキロ8分ペースで以内でOK。80kmを10時間以内に越えられる。しかし、手元のラップを見るとまもなく64kmで(5km毎のラップが)33分を経過しようとしている。これでは若干のオーバーしてしまう。ここで無理しても仕方がない。65kmを過ぎると私設エイド2つ、被り水エイド、斉藤商店、69km公式エイドと時間が掛かる区間だ。必要に応じてエイドを利用して、次の70km計測で時間を確認しよう。45分掛かるラップで走ってはいないのだから、自分に自信を持って走るのみ!

65km 8時間02分01秒 41分05秒

やはり2分オーバー。ラップは41分。我慢我慢。集中して走るペースを維持。電柱走りはせずに、いまある体力で走る。森の中は冷たい風を遮ることができる。時折木々の間から湖畔が見えると風も抜けてくる。行けども変わらない景色は66kmのユースホステル前で終わる。ここでのラップは8分台。良いリズムだ。67km手前の私設エイドでは冷たい水をいただき、バンダナも濡らす。後ろからサロマチャレンジャーの竹川さんがザムストの影森さんと共にやって来て、僕のことを喋っている(笑)。耳をダンボにして『前にどうぞ!』と声を掛ける。そこにルーシーさんがまたまた登場!みんなで笑顔で応えた!佐呂間大橋を渡り、今度は斉藤商店へ!おばちゃんに『今回20回目です!いつもありがとう!』と伝えて、温かいおしぼりとお茶をいた
だく。顔をしっかりと拭い、お礼を言ってあとにする。さろまにあんの応援の前を過ぎて、次の公式エイドにある炭酸を楽しみにしていた!そう!リボンナポリンだ!味はサイダーなのだがオレンジ色をしている。コップ1杯を飲んで、ショッツを摂取する。この先のエイドは74km手前の鶴賀リゾートまで4kmちかく空いてしまう。補給をしっかりと組み合わせていかないとガス欠になってしまうのが恐い。もちろん脚のダメージを最小限に減らすためにも外から外から摂取することは重要だ!

70km 8時間43分20秒 41分18秒

昔の制限時間は8時間45分だった。それでも2分前の通過。今は制限時間が緩くなったので80kmで10時間を過ぎても切られることはない。41分のラップを考慮すると80kmは10時間05分くらいになることを考えなくてはならなかった。カラダの状態としては今の状態のベストで動けている。そのラップが41分なのだからこれでいいのだ。もし80kmが10時間に間に合わなくても、5分の遅れを20kmまでの間にリカバリーすればいいだけのことだ。元々5km45分掛かってもいいとしているのだから、今の状態よりも遅い5km43分で走れば間に合うんだから!と確認しながら走り、ターゲットを10時間05分とした。

次の目標を明確化してからは、集中した走りをする。鶴賀リゾートまでは長い直線になる。淡々としたリズムでキッチリと刻んでいくことが完走へと繋がる。以前は80km10時間に間に合わせる必要があったので、この道では電柱走りばかりしていた。それだけ時間に追われていたのだ。とは言え、休めるくらいの余裕ができたわけではなく、このリズムを崩すことはできない。トイレ休憩を伺っているが、行けない時間が続く。走りに集中することですぐに行きたい状況にはならなかった。
72.5kmの被り水ポイントではボランティアの男の子がボックスティッシュを持って立っていた。寒さから鼻水が出てしまうことを彼は考えたのだろうか。とても嬉しいサービスだった。ここまで来ると鶴賀は近い。手前に駐車場が近づいてくるとまたここにルーシーさん登場!この絶妙なタイミングが嬉しい!そしてまもなく鶴賀に到着する。鶴賀では餅なしのおしるこで温まり、この先のエネルギーとしてショッツのカプチーノを1本流し込む。集中力を切らしてはいけない状況が続く。さらにエレクトロライトパウダーも流し込む。
鶴賀を離れると74kmの表示がある。ここでラップは32分を経過した。あと1kmは平坦なサイクリングロードになる。段差を乗り越える際には左のハムに痛みが出るが、平坦ならば問題ない。40分台のラップで刻めていれば、70km地点で80km10時間よりも3分オーバーだったのでキープできる。80km手前のエイドと登りを考えると、次の5kmでは42分くらい掛かってしまうので、なんとかここはキープしたいと考えた。

75km 9時間23分35秒 40分14秒

ヨシ!きたきた!イメージ通りだ。このまま行くぞ!最近できたのだろうか、津波到達予想の看板ができている。サロマ湖もオホーツク海に面しているので、表示されているようで、いくつか見掛けた。そしてその付近は風の通り道でもある。対岸に小さなランナーの姿が見えると左側から冷たい風を感じた。ワッカの中ではこの風にさらされることになりそうだ。
コースは風を遮る林の脇を進む。朝から降り続く雨に道路には水溜まりができているので、たまに通る車が歩道まで水しぶきを飛ばして走るのことがある。あの泥水を被りたくない!と、後続の車を気にしながら走るような場所もあった。そして77.5kmの被り水エイドをパスする。時間を考えると79.4kmのエイドを使う方が良いと考えたからだ。一旦下って場所は1995年に始めてリタイアした場所だ。この時点で9時間52分だったのに、自ら脚を止めてしまった。そして近くの係りの方にリタイアする旨を伝えて常呂町まで車で送ってもらった。この時はその後雨が強く降り出して寒い年となった。上岡龍太郎さんとそのまんま東さんが走っていて東さんが12秒前にゴールするという感動的な場面をゴールで目にした。その時には自ら止めてしまっ
たことをとても後悔した20歳のサロマ湖だった。
79km地点を抜けて左折するとゴールまであと2kmとなったランナーとすれ違う。こちらはあと20km。サブ10には届かない時間帯になるが、素晴らしいタイムのランナーの方々だ。ここのエイドはスペシャルを置けないので、手持ちのショッツをまたまた流し込む。バナナをくわえて、ほとんど立ち止まらずに歩いてワッカへ向かう。
さあここからはランナーの皆さんに声を掛けながら走る!80kmまでの登り坂と経過時間を確認しながら歩いていく。

80km 10時間05分13秒 41分38秒

なんとか10時間05分台でクリアした。ラップは41分台。鶴賀、エイド、歩きを組み合わせてのこのラップを刻めたので、ワッカで若干歩きが増えても45分以内ではカバーできると考えた。しかし5分オーバーなので、この20kmで5分の借金を返さなくてはいけない。いつもならば81kmまでの1kmは回復のための1kmなのだが、今年はその余裕がない。というのも、腰の状態が悪く前屈みに背中を丸めることができない。歩くよりもここまで刻んだリズムで走ることの方が楽に進むことができた。
後続のランナーにも追い付かれながら戻ってくるランナーに声を掛ける。この時には辛い顔は見せられない。とにかく笑顔でエールを送り、ハイタッチで力をもらう。2014年の状態よりは動けている。81kmまでの1kmを9分でクリアしたのを確認し、ペースを維持する。走れる所で8分ペースでキープする走りを意識する。
ワッカのラスト4km地点からはワッカを望むことができる。風が吹き抜けるポイントでオホーツク海から冷たい強い風が雨と共に叩きつける。行きは右後方から、帰りは左前方からの風となりそうだ。
同宿のランナーの姿もどんどん帰ってくる。そして『鈴木さん!グラブっちゃってください!』と大木さんからの言葉!(笑)『絶対にゴールします!』と応えて折り返しを目指した。82km・83kmとなかなかキロ9分を上回る走りができない。登りは歩いているので仕方ない。84kmでようやく1分を返して35分経過で通過した。
応援場所にもなっているエイドではルーシーさんの声援を背に折り返しへ向かう。そしてようやく85kmへ。どのくらい戻せたか?

85km 10時間48分27秒 43分14秒

約1分。残り15kmで約3分を取り戻すにはこの区間と同じでいいんだ。しかしこの先には昨年工事中だった『あの坂』が待っているに違いない・・・。あの坂とはサロマ湖の第2河口に架かる新しい橋で、昨年は通れなかった橋だ。遥か遠くからでもその姿が目に入ってくる。事前にこの橋を渡るという明確な情報があった訳ではないが、渡るんだろうなという覚悟を持って走っていた。ロスタイムとしてどのくらい掛かるだろうという不安が先に立つ。ワッカをさらに奥に進みながら、折り返してくるランナーの方々から『ゴールで待ってますよ!』と声を掛けていただくが、まだまだ完走の確証はない。次の90kmを11時間30分でいけるだろうか。いやいかなくてはいけない。

走れる平坦をキープしつつ登りは歩いて進む。橋が段々と大きくなり、手前にエイドのテントも見えてきた。このエイドは帰りに立ち寄りたい。まずは前にそびえる橋を渡る!予想していたよりも斜度もキツく長かった。対岸に向かって今度は大きく下りになり、下り切ったところでの折り返し!まさに『聞いてないよ~!』と頑張って折り返した。そしてエイドに到着。
ようやく折り返し、残る距離は約8km。まずは90kmを目指して走り出した。折り返してからは風と雨が左斜めから強く吹き付けてくる。往きよりも正面からになるので、雨が直接当たり冷えに繋がる。90kmを越えたら手袋を付けよう。そうでないと、指先の感覚までなくなりそうだ。折り返しを目指すランナーの中には歩いてしまっている方も多く、時折係員の元へ行き、サバイバルシートにくるまって収容車を待つ姿も見られた。寒い中で体調を崩すランナーを支えてくれるボランティアには感謝したい。

90km 11時間32分25秒 43分57秒

ここで90分を残すことはできなかった。やはり43分のラップは縮めることができていない。でもこのままのリズムで走れば、95kmでは45分残すことができることを確認。しかしトイレには立ち寄れない。このペースを維持することだけが優先だった。
ワッカの中は気持ち復路が下りが多い。その特徴を生かして走れる距離を延ばすことができた。平坦も走ればもう少し貯金もできそうだ。そしてエイドに到着すると折り返しを目指すランナーもいなくなり、大応援団もゴールへと向かった後だ。しっかりとショッツカプチーノを流し込んで、エイドを後にする。
今年のワッカは久し振りに寒かった。手袋・アームウォーマーの組み合わせでも雨なので、体幹部分も濡れてしまう。しかし54kmのエイドでしっかりと汗を拭き取り、ファイントラックに着替えての3枚重ねのウエアリングだったので、雨具は必要なかった。またキャップをバンダナの下に重ねたのも効果的だった。足元は水溜まりや雨で濡れてもシューズの中さえびしょ濡れにならなければ大丈夫だった。
僕の大好きな景色である93kmを抜けて(雨のため写真はありません)下っていく。そしてコースはサロマ湖側に移り、少しだけ風を遮ってくれる。ワッカもいよいよ終わりが近づいてきた。再び少し登ると下りながら先に95kmのエイドのテントが見えてくる。走りのリズムを崩さずに近づいていく。

95km 12時間15分42秒 43分17秒

よし!ここで80kmまでの借金をクリアできた!しっかりと43分台のラップで刻み続けることができた。カラダの痛みはあるが、歩きを混ぜながら確実に進むことができた。我慢を続けたことで、いつもの場所まで帰ってこれた。そして残りは45分。ゴールは制限時間2分前より早くなることはない。この先の登りは走れないし、ワッカの出口となる長い下りもペースは上げられないからだ。そのためにも45分の確保が必要だった。トイレを横目に見ながら、ショッツを飲んで歩を進めた。

ワッカの寒さは体感的には対応できていたが、腰周りはやはり固まってしまったようだ。旋回や前屈などはまったくできず、少し屈むだけでビクッとなってしまう。とにかく良い姿勢で維持していくしかない。立ち止まることはせずに必ず歩く。そしてラスト4kmの坂では両太ももに掌をつきながら押し進んだ。その後の緩い下り坂ではゆっくりと走り始める。ワッカを後にして林の中を抜けていく。頭に被ったゴアテックスのキャップとグローブを外しながらゴールスタイルの準備をする。ラスト3kmを抜けてワッカの入口に下りる坂ではゆっくりと走っていった。

最後のエイドでは寒い中で待っていてくれたボランティアの皆さんに挨拶をしてラスト2kmへ向かう。手元の時計で残り時間はあと20分。あと2kmの看板は見えている。素手になった手が雨によって一気に冷えてきた。しかしここからは平坦のみ。走るペースを維持してラスト1kmは9分は欲しい。国道に合流すると先の林のところのラスト1kmのポイントが見えてくる。吹き付ける風を左から受けながら、ラスト1kmへ!残り時間は10分。

もう大丈夫!国道から常呂町民センターに向かっての直線道路に入る。20回目のゴールに向かう最後の1km。今年のサロマ湖を振り返りながら進む。35km手前で痙攣が起きた際には『後厄』を理由にやっぱり駄目かと思ってしまっていたが、川の道に比べればなんてことはなかった。もちろん諦めることはなく対応できて今ここに来れた。そう簡単にグランドブルーを達成させてくれないサロマ湖の洗礼を受けた感じだ。
常呂町民センターに近づき、雨の中で迎えてくれる皆さんの姿が目に入ってきた時にはやはり感動した。ここ数年は本当にたくさんの方に迎えてもらうことができた。カッコいい走りで応えたいが腰が落ちてしまっている。でも声援にしっかりと笑顔とハイタッチで『ありがとうございます!』と応える。そして最後の直線では前日に記した自分へのメッセージを読んでいただくことができた。(自分では気が付かなかったが)斉藤商店のお母さんに花束をいただき、20回目のゴールを迎えた。

100km 12時間59秒11秒 43分28秒

20回完走の中で最も遅いタイムとなった!(笑)らしいタイムと言えば僕らしい結果となった。ゴールゲートは少し混雑していたので端っこでのゴール。20回目のポーズも忘れてしまうくらい、全力を出し切ってのゴールとなった。迎えてくださるランナーの方からの『グランドブルーおめでとう!』をたくさん掛けていただき、とても感動しました。また今回のレースの苦しみも思い出して涙が浮かんで顔がクシャクシャになったりもした。支えてくれる方や仲間と言える方々に感謝してこのゴールの感動の余韻を楽しんでいた。今回同行のメンバーは全員完走!僕がもちろん一番遅く、寒い中で待たせてしまいました。

着替える前に家族に連絡!ランナーズアップデートではないアプリで居所を発信していたので誤差により100km到達が12時間35分になっていたらしく『余裕だったね!そりゃ500kmとか走ったんだから100kmなんて楽勝だったんでしょ!』と言う言葉が!(笑)『それ違うなぁ(^_^;)12時間59分台でした。ホントにキツかったよ~。でもグランドブルーは達成です!』と伝えると『おめでとう~!ゆっくり休んでね!』と言ってもらえた。家族4人で来ることがなかなかできないけれど、遠くからでも大きな応援に支えられているのがわかる。本当にありがとう!

サロマンブルー控え室では31回連続完走の越智さんとお話をして『来年からはゴールドゼッケンの仲間に入れてください!(笑)』と。しかしまだ僕にはあと1年のクリック合戦参戦が条件となっている。グランドブルーメンバーでも優先枠は3年連続完走が条件なのだ。必ず来年もこの場所に帰ってきたい。いや必ず帰ってくる!これからの新天地でもウルトラマラソンランナーとの繋がりを増やして、ウルトラマラソンの広がりとブランドの広がりに頑張っていきたいと思う。

サロマ湖の旅は翌日の能取岬&寿司ダイニング月での完走パーティーで終わりを迎えたが、今回同行した皆さんから後日『グランドブルー祝勝会』を開いていただいた。そしてそこでの最高の記念品をご用意していただくことになる。24回で20回の完走。18歳だった自分がもう41歳になってしまうほどの年月(^_^;)。一度も途切れることなくサロマ湖の地に立つことができたこと自体が、周りの環境に支えられた結果だ。家族はもちろん職場の協力なくしてはなし得なかったとつくづく感じた。これからは応援し続けてくれた家族に僕ができることをしていきたい。サロマ湖は卒業しません!一生行き続けます!
そして新たな挑戦はまずは仕事から!『reric』というスポーツアパレルの拡大をしていきます!ウルトラマラソンクリニックもやります!もっとたくさんのウルトラランナーを増やしていけるように、たくさんの魅力を伝えていけるように頑張りたいと思います。引き続きこれからもよろしくお願い致します!ありがとうございました!


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